自らの挑戦に、山形へ行った。
帰りに、よく「安達太良SA」で休憩を取る。
自分の車に戻るとき、見上げるところに、安達太良山がある。
午後で、安達太良に雲が出ている。
自分の心に余裕があると、「智恵子抄」の安達太良を思い出したりする。
樹下(じゅか)の二人
あれが阿多多羅山(あたたらやま)
あの光るのが阿武隈川(あぶくまがわ)
あの光るのが阿武隈川(あぶくまがわ)
こうやって言葉すくなに坐っていると、
うっとりねむるような頭の中に、
ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
この大きな冬の始めの野山の中に、
あなたと二人静かに燃えて手を組んでいるよろこびを、
下を見ているあの白い雲にかくすのは止しませう。
うっとりねむるような頭の中に、
ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
この大きな冬の始めの野山の中に、
あなたと二人静かに燃えて手を組んでいるよろこびを、
下を見ているあの白い雲にかくすのは止しませう。
(略)
ー結婚から10年後の作品。最も幸福に満たされている
時代の詩。光太郎が東北福島にある智恵子の実家に、
帰省していた時のもの。智恵子の実家は酒蔵。ー
11月初旬、また福島の山の方を訪れる予定だから、「安達太良よ」
また君の顔を楽しみにしている。
智恵子が、心の病になったときのことも話さねばならないだろう。