シガ(しが)は氷花


 「しが」は、「氷花」と書く。関東の端っこの山あいを流れる川に、そっと起こっている自然現象で、知る人は少ないだろう。
 しかし私は、北の方に起こっている有名な樹氷ダイヤモンドダスト、サンピラー、蜃気楼などの現象に匹敵するものだと思っている。


 次の日、福島民報は、伝えていた。

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    矢祭の久慈川「シガ」観測 漂う神秘の薄氷
  矢祭町を流れる久慈川で26日朝、川面に氷が流れる自然現象
 「シガ」が観測された。町内で確認されたのは2年ぶりという。
  シガは奥久慈の冬の風物詩で、地形や気象の条件が重なって発
 生する。この日は薄いシャーベット状の氷が朝日に反射しながら、 
 ゆっくりと川面に揺らいだ。水郡線と平行する川岸に多く見物人。


 この氷花(しが)を題名にした映画がつくられている。
 『シガノココロ』で、 水郡線沿線地域活性化支援作品という見出しが付く。DVD化されたようで、探し始めた。


  イメージ 3茨城県那珂市の建設会社に勤めはじめた幸恵。
 幸恵の彼氏の貴明は大子町の実家のリンゴ園を継
 ぐことを決め、実家へ戻って両親と暮らしてい
 る。週末はお互いの家を行き来しているほど仲の 
 良い二人は、年に数回しか見ることができない自
 然現象「シガ」を一緒に見ようと約束をする。
 30歳も目前、将来のことを考えはじめる貴明。
  しかし対照的に幸恵にはその気がない。些細な
 ことをきっかけに、二人の心はすれ違いはじめ
 る。二人の想いはどこへと向かうのか  ・・・。


 水郡線沿線地域活性化支援というのもいい。過疎化していくの町をつないでいる気動車が頼もしい。
 その駅周辺のサラリーマンや自営業、主婦、農家の人などを中心に集まったボランティアの集団「カミスガプロジェクト」が、この映画をつくった。撮影も、地元のカミスガフィルムクリエイト(KFC)がした。
 「カミスガ・・・」は、水郡線の駅名「上菅谷」からとっているだろう。
元気になれる街づくりに挑戦しているのが伝わってくる。


 水郡線沿線を舞台にして、県内の出演者やスタッフによって、このほかに3作品つくられている。

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 氷花の流れる茨城県大子町福島県矢祭町は、JR水郡線の始発水戸か
らそれぞれ約56㎞(約1時間半)、71㎞(2時間)北にある。
 他に類して過疎化が食い止められずにいるが、歴史も残っている・・・。