「戦後政治の総決算」を掲げ、国鉄の民営化や日米安全保障体制の強化などに取り組んだ、中曽根康弘元総理大臣が亡くなった。101歳とはすばらしい。
「時代を読み取る深い洞察力
確固たる信念と志を持ち、それらを実現するため柔軟かつ大胆な政治手法を振るわれた偉大な政治家だった。」というコメントがある。jiji.com
街頭の人は、いよいよ昭和が終わった、と言っていた。
私には、2つの記憶がある。1つは、臨時教育審議会を設置したことだ。1984年
当時、受験地獄、詰め込み教育、偏差値重視、学歴偏重等
青少年による犯罪の多発などの弊害が出ていた。そこで「ゆ
とりを持った教育にしないと、心豊かな人間を育めない。」
として(元首相)、教育全体に渡る様々な施策を実施した。
教職に就いて10年に満たない私も、「個性の重視・育成」を観点に「教育の個性化」に取り組んだ。
「ゆとり教育」につながったことはよかったが、教育政策が
官邸主導・政治主導になってしまったことは、教育の場にいる
教員の意見が反映されにくくなった。そして、日教組が弱体化
の一途をたどってしまった。Wikipedia etc.
もう1つは、「単一民族」発言だ。1986年
「日本は単一民族国家だから教育が行き届いている。(知的水準が高い。)」という趣旨の教育に関する発言をしている。
アメリカから厳しい批判が起こったがこれは黒人やラ
テン系の知的水準が低いとの旨は人種差別ともとられか
ねない発言だからで、日本国内での反発は少なかった。
日本人の知的水準が高いことを自負しつつ、受け継いできた日本人としての心のあり方、日本の伝統文化を継承するという観点で、私は頷いてきた。
そんなものが薄れつつある今も変わりはない。
大往生の偉大な政治家の逝去に、自らの昔を、今あることを振り返らせてくれた。
ご冥福を祈る。