夏はよる

 

 開け放しておいたところから少し涼しい空気が入ってくる。

 昼間の暑さが酷いものだから、思わず深呼吸する心地よさだ。

 

 灯りから遠い廊下には、それと並行して月明かりが差してくる。

 やっと雲から出た月は、もう半分を過ぎている。

 

         

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       夏は夜。月のころはさらなり。闇もなほ ・・・

 

 夏は夜がいい、と言われれば、確かに今だ。

  暑さや喧騒とは対照的な、心地よい涼しさや寂かさ。  

  望まぬものを強いて目立たせない、闇もまた嬉しい。

         そんな世界をつくっているのは月だ。