優しくはない春の雨

 

 どうしても、雨。

 今日は、よく行っているゴルフ場のコンペ。

 

 いつも組んでいる人たちは、みんな不参加を連絡してきた。

 みんな私より6つも7つも先輩だから、仕方がないことだ。

 こちらから、止めましょうねと言わないことの方が申し訳ないと、雨のやまない空を

見上げながら8時ごろになってから思い付いた。

 

    

          

      

      ゴルフ場に着いたときは、もう雨は強弱を繰り返して、

     これから止むことはないよと言っているようだった。

 

      雨は冷たいほどではないが、空気をよどませている。

      No.18 の縁取りになっているツツジの色が鮮やかで、

     ここまで来たんだから頑張れよと言ってもいるようだった。

 

          

         

     

 私は雨が嫌いだ。

 野球をやっていたときも、いつも雨を避けていた。

  ― 私の代わりに誰かやってくれ、といつも考えていた。

 

 私のプレースタイルが、ボールが滑ってコントロールを乱すことのないよう力をセー

ブして、相手をかわすようなものではなかった ・・・ と、いつも言い訳してきた。

 

 

 今日も、年間を通して参加すれば何らかの褒美が貰えるというので、仕方なくやって

来た。何と欲深なことだ ・・・。

 

         

         

         どこを見たって、雨だらけ ・・・ 。

 

 ゴルフをやる上で公式の HDCP というのがある。KGA(JGA)による。

 今日は、その褒美を優先するか、HDCP を下げてしまうことを避けるとるか、二者択

一に迫られた。

 

 前者を選んでしまった。

 そして、スコアは散々なものになっていた。

 

    今まで、雨が嫌いで普段から避けてきたのだから、いざその時となったら、

   思うようなゴルフなど出来るはずがない ・・・。

 

 

 私がNo.1をスタートするとき、No.18をホールアウトする人たちの雨の中の頑張りを

賞賛していたツツジは、私の不甲斐ないゴルフを諭していた。