しじまをやぶるもの


 山あいに住んでいるから、いつでも静かな環境にいる。
 人口約52万の宇都宮市から東に約50㎞の栃木と茨城の県境。

 だから、朝から晩まで、年がら年中、喧噪というものにはほど遠い世界に暮らしている。何かを考えるときに邪魔をするものは何もなく、昼でも夜でも自分の世界を創り出すことが出来る。
 
 それでも、思惟の時間は夜だ。
 今夜は邪魔者がやって来た。強い雨

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 天気予報などで使っている用語によれば、
   1時間の雨量が10mm以上~20mm未満 やや強い雨
   ザーザーと降る 雨の音で話し声が良く聞き取れない
ほどの強い雨がやって来た。

 こんなものは、普通は30分くらいしか続かない。強いなぁなんて思っているうちに過ぎ去ってしまう。
 
 どうも雨音には、落ち着きを失ってしまう。
 静寂、静謐、沈黙、寂寞、清閑、蕭条、閑静 ・・・が破られる。