春はあけぼの、とはならなかった。
昨夜から気温が下がり霧が出た。
少し早く起きて、あちこち歩いてみたが、車でも移動してみたが、霧が晴れない。日の出の時刻から1時間程過ぎても、これくらい。
「春はあけぼの」を見て、来たるべき明るい春を念じようと考えていたのだが。
それなら、「花明かり」だ、と思って、桜へ行った。
この明かり、実は「月」。
桜越しでも、霧は晴れてこない。
明かりが太陽なので、当然逆光になる。桜の明るさが出せない。
東山魁夷の「花明かり」の花びらは光っている。春の霞に見る月は、
今沈んだばかりの太陽を背にしているから、明るいはずだ。
最初から期待は外れ、腕は届かず。
とにもかくにも、小さくも光ある春となれ。