月は東に


 「平成最後の」が溢れている。
  今日の月を、平成最後の満月と、言っていた気象情報。
 
 私は、それを冠しなくてもいいが4月の満月を、菜の花越しに眺めた
いと少し前から考え続けていた。

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 天気は、何日か前から「曇」が予想されていた。
 そして、やっぱり日中から空は雲だらけで、晴れる気配はなかった。

 どこの菜の花にするか決めていたが、全くの徒労に終わった。
 山の端から上がるところでなければ、その光景には出合えない。


 雲が切れだしたのは、夜も更けてからだ。
 流れる雲の間から満月が見られた。


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 暗い月になってしまっている。

    蕪村の「菜の花や月は東に・・・」の句の情景を、250年余後に
   眺めてみたいと思い続けている。
    夕暮れ時に菜の花が見られるのは、この頃のはずだったが。
    
 時を選ぶか、場所を替えるか、まだ労を尽くしていないようだ。