不義理を謝りつつ


 那須の麓に行ってきた。
 JR東北線の黒田原は、昭和56年の私の初任の地だ。
 町役場などはここにあるが、町の中心は山の中腹まで登った温泉街にある。

 私は往復の経路に、国道294号から平成10年8月27日の豪雨災害で猛威を振るっ
た余笹川と黒川に沿い何度か横切って、大きな被害を受けたた那須塩原市寺子から、
そのために新しくなった雑木林の中の道路で黒田原に入った。


   記録には、那須町で600mm超の日降水量、26日から31日までの総降水量は
  年間降水量の2/3以上の1,254mmと。死者22名、行方不明者2名、負傷者55名
  住家全・半壊及び一部破損506棟、床上浸水3,328棟、床下浸水11,518棟と。


 その頃蛍を観た湿地帯で、車を止めた。
 蓮が、その頃を思い起こさせた。


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 ここは自宅から50km近くあって、4年間を水戸で過ごしてきた私には環境が手のひらを返すほどに違っていた。

 その暮らしを我が子のように面倒を見てくれた人があって、この3月に職を辞した時、ここまでやってくることが出来たのは此の方のおかげで、挨拶に行かなければと思いながら、夏になってしまったのだった。


 突然の訪問を喜んでくれた。
 ご夫婦はすっかり年を重ねられていた。
 我が子のようにと言ったが、随分年が離れていたんだと思われた。
 
 昔の話をしながら、今度酒でも呑めるように準備して伺いますと失礼した。
 これで少しの間、心騒ぎと離れて暮らすことが出来そうだ。