「身の丈」という言葉が問題になった。
この言葉を聞いたとき、私も何を言っているのか理解できなかった。
大学入学共通テストに導入される英語の民間試験をめぐって
萩生田文科大臣が(先週BSフジの番組で)、「身の丈に合わせて
頑張ってもらえれば」と話したことだ。
大臣は、キャスターから大学入試に英語民間試験を使うこ
とについて、お金や住む場所などに恵まれている受験生と、
そうでない人との「公平性」について問われ、こう答えたら
しい。
「2回(英語の民間試験)をきちんと選んで勝負して頑張って
もらえれば」が抜けている。
民間試験は英検等7種の中から受験生が自分で選ぶ。入試と
して受けられるのは2回までと決まっているが、別途、腕試し
は何度でも自由にできる。
受験料(1回約6千~2万5千円)に加えて会場までの交通費
場合によっては宿泊費もかかるため、都市部の裕福な家庭の子
とそうでない子とで条件が違い過ぎると、懸念の声があがって
いる。生徒の側に「受けない」という選択肢はなく、予備校通
いと同列に論じられる話でないのは明らかだ。
萩生田氏は昨日発言を撤回したが、急いで取り組むべきは、新
制度の欠陥の是正することではないか。少なくとも受験料負担と
試験会場をめぐる不公平の解消を図らなければならないだろう。
改革の目玉とする民間試験の活用への懐疑は尽きない。
昔から外国語は、地方者には、身の丈以上を求められた。