夏が始まる日の朝は、早く目が覚めてしまった。
夜明けが早まっているのを感じているだけで、嬉しいという訳ではない。
それでも、立夏という語には、何か新しい物がやってくるという快い響きがある。
外へ出てみると、ひんやりしている。
昨夕の雷雨で冷えた空気が、ゆっくり流れている。
咲き始めたツツジの紫が、わずかに揺れている。
日の出を待つ空は薄い雲があるが、晴れていくのだろう。
この後雨が来て一息、気温もさらに上がっていくらしい。
間もなく不如帰もなきだすのだろうか。