迎え盆

 

 やっぱり、こんなに降るのは珍しい。

 迎え盆を雨の止んでいるうちにと、昨日から気に掛けていた。

 

 家から300mほどの林にある墓に迎えに行って、家の門口で迎え火を焚くが、

   雨模様で藁に火が点きにくいのは初めてだよ と、

毎年この日に来てくれるようになっていた弟が言った。

 

 

 提灯を持って迎える人もあるが、この辺りでは、この迎え火にしている。

 そして、先祖の霊をこの世に迎える儀式は、仏壇に供える胡瓜と茄子による。

 

          

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    胡瓜と茄子を精励馬と精霊牛に見立てて、ご先祖をお迎えし、お送りする。

 

    ご先祖に早く家に来てほしいから馬で迎え、を家の内向きで置き、なるべく

   長く家にいてほしいから足の遅い牛で送るのだという人もある。
 

 まず仏壇に線香を立てると、小さいが赤く輝いて燃え進んで安心した。

 豪華な供物ではないが、ご先祖には3日間ゆっくりしてもらいたいと願うばかり。

 

 

 そしてお盆の最後の日に、先祖の霊をもとの世界へと送る。

 このあたりでは、送り盆には、送り火はやってこなかった。

 

 私は、父母や祖父母を見ていたように、小さな提灯を持って、「お帰り団子」を供

え、帰りの道中の安全を願うことにしてきた。

 

         私にも、今年は何時にない雨だ。

         いつも通りに迎えた。しっかり送ろう。