祖母春の雨の時

 

 今日こそ、その趣味の世界を模様替えしようとしていた。

 天候のせいだ。より春らしくなるという情報を信じていたから。

 

 間もなく雨。予報通りでも、この日を逃すと運も失ってしまうようだ・・・。

 強い訳ではないが、こんな日に出かけるのは敵討ちだなあ、なんて子どもの頃に祖母

に言われたことがあった。そして祖母は、雨に濡れないよう様々心遣いしてくれた。

 

           6℃ 冷たい雨

 

 仕事をやめれば、もう遊びしかない。

 元気ならずっと続けられるよ とこの間友人と話していた。

 15年は大丈夫だろうと笑っていたが、何より

    私たちを取り巻く環境が変わること ― それが怖いと思っているんだよ。

 

 六曜の暦を見てみた。今日は仏滅だ。雨だからそうだろう。

 今日にしようと決めていたから、敢えて見なかったのを眼にしてしまった。

 

  それでも、家の東側の耕作放棄地の陽だまりには、仏の座が赤紫を濃くしていた。

 

           仏の座 ほとけのざ

 

          仏滅の翌日は大安。

          この午後は、それに向かって運気が上がる とか・・・。

 

 雨に濡れるのを誰も心配してはくれないが、出かける。

 曾祖母も祖母も、笑っていることだろう。そんなことを思い出した孫は幸せだ。

 

 

 昨日はね、光の春で、のどやかな黄色が広がっていた ・・・。

 

          

          茱萸 さんしゅゆ

 

 私の思いは、ほとんど叶えられ、先に進んだ。( 具体的なことは内緒だ。 )

 ある意味いい雨だった。酒が旨かった。