存在を確認する「秘密」


 テレビのワイドショーが、人気女性タレントが不倫騒動を告げていた。居合わせたコメンテーターは、女性を擁護したり、既婚男性に出てきて説明すべきだと言ったりしていた。

 それまでの状況が、周囲の人たちへの取材から分かったとして衆目に晒された。その発端、あるいは大部分を占めるのが、友だちの LINE の内容だったらしい。

イメージ 1  当事者における「秘密」は、部外者には「ゴシップ」で
 あり、次にどのように展開するのか興味津々と見守っ 
 ているだろうことが少なくないのではないだろうか。
  ちょっと、悪意のある言い方か。

  個人情報とは氏名・住所・生年月日等だが、その他プ
 ライバシーにわる内容があるという。クレジットカー
 ドの利用状況・・・通院歴等各種のデータが結合され個人
 の私生活が露わになってしまう恐れがあること。 

 その会話に「卒論」という言葉を使っているという。離婚届のことらしい。二人だけの場で、どうして隠語を使わなければならないのか。


 この女性の中に、自らの「秘密」に市民権を与えようとしていたのではないだろうか。秘密を秘密のままにしておくことが出来なかった。
 二人の間には、既成的な事実がたくさんあり、
二人の行き着くところは決まっていたのに ・・・。 
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 秘密が確かな形になるまで待てなかった、と
言うべきか。もともと、そういうものだろう。
 男の都合か。

 秘密にしておきたい存在を確かめようとすると、自らをさらけ出すことになる。ある場合は「常識の網」に引っかかってしまうことがある。
 ジレンマに陥っているうちはまだ楽しい。