東側の部屋の前に石を置いた。
あまり欲しいと思ってはいなかったが、話の上手い造園家の乗せられて
しまっただけだ。
庭には、生前の父が集めていた石がある。
植栽よりも石の方に重きがあったが、息子には関心がなかった。
家を落ち着かせているのはその石や灯籠であり、めだかを泳がせている手水鉢
も格好がいいとは思っていたのだが。
三波石だ。白が差しているのがいいと、水をかけて話していった。
夕方の俄雨に眺めた。
そして、今日が友引であることを確認した。
あの石や、私のところを狙って来たなと思った。
大した望みもないが、この石が運を開いてくれたらいい。